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親愛なる犀たちへ

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825

a0280851_189436.jpgこの825は、10日前までの
南アフリカにおける
今年のサイの違法殺戮総数。



それから今日まで何頭のサイが
殺されていることか?

せめて、長く苦しまないように
一気に殺して欲しい。

それより、麻酔銃で眠らせて、
サイを傷つけないように
角の部分だけ切り取って、
麻酔から醒めたらまた生きられる
ようにして欲しい。

勿論、生きたサイの角を奪うことを
やめてくれるのが一番。



参照記事 :
1.The number of rhinos illegally killed in South Africa in 2013 has reached an appalling 825 as of November 6 — surpassing the 2012 death toll of 668 rhinos.
2.Tide turns on one front in Africa's war against rhino poachers


●クルーガー国立公園

11月6日の時点で、南アフリカで今年、不法に殺されたサイの数は825頭となった。昨年1年間に殺された668頭をはるかに超えて
しまった。

825頭のうち、約500頭は、南アのサイの60%以上が生息
しているとされているクルーガー国立公園で犠牲となっている。
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このペースで密猟が続けば、2014年は1000頭以上のサイが殺され、現在およそ22.000頭とされる南アのサイが頭数を減らす
分水嶺となるであろう。


今年、ここまで密猟数が増加したことのひとつの原因が、
3月14日の南アのモレワ環境大臣のサイ角取引合法化提案*に
由来するという見方がある。



(36年前から禁じられているサイ角の取引を一度限り解禁し
南アにストックされている18トンのサイ角を市場に放出し、
超高値の闇取引を抑制する、という提案。)


イギリスの環境保護NPO,the Environmental Investigation
Agency の調査では、その直後から9月までの週平均のの密猟数は
南アの提案以前の約15頭から18頭へ跳ね上がったという。

その後も、密猟のペースは上がり続け、10月の4週間で殺された
サイは100頭にもなってしまった。

その理由としては、密猟犯罪シンジケートが、環境大臣の
その提言に即座に反応して、取引合法化による値崩れを恐れ、
その前にさらなる乱獲を目指している、ということが考えられる。

そのため、取引合法化案は、予想される結果に関しての綿密な調査
ならびに検討が不足、、という批判を受けている。

しかし逆に、この案を強固に支持しているロビー団体もある。



●マディクウェ動物保護区

悪化の一途を辿る南アフリカの密猟状況のなかで、密猟防止に着実な成果をあげているのが、南アフリカのマディクウェ動物保護区
(Madikwe Game Reserve) である。

この保護区では2011年に3頭、2012年は、18頭のサイが
密猟され,今年の4月半ばまでに9頭が殺された。

しかし、今年4月に密猟されたのが最後で、それ以後は
1頭のサイも殺されていない。

それは、4月から実施されたレンジャーの訓練と装備の強化の
成果であった。

レンジャーの大半は地元民で、生活のための知恵や技術、
動植物についての知識を豊富であったが、戦いの訓練など
受けたことはなく、粗末な履物とジーンズで見回りをする
だけだったので、国際的な犯罪組織の武装密猟者を相手に
しては、まったく勝ち目はなかった。

しかし、その彼らが、アフリカ大陸で反密猟を掲げる慈善団体、
Ichikowitz基金(Ichikowitz Family Foundation) * から
提供された望遠鏡装備のライフル、夜間パトロール・ランプなど
最先端の道具一式を支給され、英軍特別部隊の元兵士から
軍事訓練を受けたことで、大きな成果を上げたのである。



(創設者の Ivor Ichikowitz は、南アフリカ出身の大実業家。
広くアフリカ大陸全体で石油、ガス、鉱業、農業、開発、観光など
幅広い分野で成功している。)


●クルーガー国立公園 vs
  マディクウェ動物保護区


クルーガー国立公園でも、特別部隊の元兵士の戦闘技術を取り入れ、密猟者と戦っているが、今年も既に500頭のサイが殺されて
いる。

なぜ、クルーガー国立公園 では成果が上がらないのだろうか?


クーガー国立公園とマディクウェ動物保護区との
の決定的は違いは、大きさと地理的な位置にある。

2万平方km のクルーガー国立公園(イスラエルとほぼ
同じ面積)は、680平方kmのマディクウェ動物保護区の
40倍の広さがある。

そして、クルーガー国立公園は、350kmの長さにわたって、
隣国モザンビークと接している。

モザンビークは世界最貧国のひとつで、農村の人口は多く、
そこには、サイの密猟ビジネスから人集めの声が多くかかるのだ。

それに対し、マディクウェ自然保護区が国境を接しているのは、
人口が少なく比較的豊かな国であるボツワナである。
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クルーガー国立公園の密猟数が多いのは、サイの生息数が
多いことに加え、こうした悪条件が重なっているという事情があるのだ。


しかし、マディクウェ自然保護区だけでなく、南アフリカの
他の場所でも、資金提供者や国の資金があれば、
マディクウェのように密猟防止に成功する余地はまだあると、
考えられている。


以下、参照記事2.より原文一部引用 :

"Then the killing stopped in Madikwe, while the toll has continued to rise in the rest of South Africa. According to government data, as of November 6, 825 rhino had been poached in South Africa in 2013, compared to 668 for all of last year.

If the trend stays at its current pace, more than 1,000 rhinos would be killed in 2014, putting the roughly 22,000 animals in South Africa on the brink of population "



ブログ内関連投稿記事 :
http://dearhino.exblog.jp/18656929/
「南アのサイ角取引の合法化提案、その後。」
(2013.09.29)

http://dearhino.exblog.jp/18068584/
「南アフリカ, 自国のサイ角ストック売却案」
(2013.07.11)


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動物保護区の広さをイメージすることはなかな難しい。


南アフリカ    1.221.000 平方km
ジンバブエ     391.000
日本          378.000
イスラエル      20.770


クルーガー国立公園  20,000 平方km   
マディクウェ保護区     680


東京            2.188 平方km
神奈川           2.416     
千葉            5.157
埼玉            3.797
茨城            6.096
------------------------------------
合計面積 19.654平方km (クルーガー国立公園とほぼ同じ)


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"上記の1都4県を合わせた広大な自然の地に、
1万頭余りのサイが住む。

そこに、サイ大量虐殺のためのハイテク密猟者集団が
送り込まれる。

特に茨城の北部あたりから密猟者の進入が多い。
(単に茨城の位置がモザンビーク方向なので)

今日も、関東地方のどこかで、角を残酷に抉り取られ
苦しむサイ、あるいはその果てに死んだサイの
巨大な身体が2-3体、地面にころがる。

レンジャーが、密猟者を発見した場合には、
命がけの戦闘が繰り広げられる。"


クルーガー国立公園を日本の関東地方に置き換えて
みると、こんな感じなのだろうか?


クルーガー国立公園の40分の1の面積のマディクウェ保護区でも、
東京23区より大きい。これだけの広さを一気に密猟をゼロできたのは、
画期的な成果だ。


マディクウェ保護区     680 平方km
東京23区           621
琵琶湖              670            


狭い日本に暮らしていると、想像すらできないよいうな
広さのなか、密猟者もサイを見つけるのが大変かも
しれないが、身を隠す技術もあるはずの密猟者を
見つけることは、本当に大変なことだ。
by dearhino | 2013-11-16 15:50 | 南アフリカ | Comments(0)
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