南アフリカの孤児サイたちの
保護施設を襲撃した密猟者の
許しがたい蛮行!
殺されたサイの子。
(C) Thula Thula Rhino Orphanage
南アフリカの KwaZulu-Natal の
Thula Thula Rhino Orphnage は、
親を殺されたサイやその他の動物の
こどもの保護やリハビリをしている施設。
2月20日夜、その施設に重装備の武装をした
密猟者2名が押し入り、防犯カメラを壊し、
飼育スタッフを縛り上げ、彼らの目の前で
角目当てにサイの子どもを2頭、惨殺した。
数時間にわたる犯行のなかで、
密猟者たちは、ひとりの若い女性をレイプし、
他の飼育スタッフらを残酷に殴打した。
そして、2頭の生後18か月のシロサイ、
オスのImpy とメスのGugu を撃った。
2頭の角は、他の孤児サイに比べると
大きかったのだ。
Gugu ♀は即死したが、Impy ♂は、
生きている状態で角を残酷に奪われた。
そのときの拷問のような痛みを想像すると
本当に辛い。
Impy は、傷の状態がひどく回復の見込みがないため
事件の翌朝、安楽死の処置がとられた。
Impy とThando の昼寝。
(C) Thula Thula Rhino Orphanage
Impy ♂は、母親を密猟者に殺されたとき6日間、
動かない母親のそばを離れず、空腹で喉が
カラカラの状態だった。彼の体には母親の血痕が付着し、
死体から出る分泌物のきつい臭いがした、という。
Thula Thula Rhino Orphnage を率いる
Karen Trendler は、Impy を迎えたとき、
心のなかで、彼にこう言ったという。
「安心して。もうこんな目には合わせないから。」
しかし、悪夢のようなことが起きてしまった。
Gugu とThando
(C) Thula Thula Rhino Orphanage
Gugu ♀は2015年の大晦日に母親が殺された。
その時彼女は生後5か月、トラウマで呆然とし、
脱水症状であった。
Thula Thula Rhino Orphnage で充分なケアを
受け成長したGugu は、今月下旬に彼女が生まれた
Private Reserve で野生に返される予定だった。
この施設では、翌週には密猟を防ぐために、この2頭の角を
切り取った後、他の場所に移す予定だったのである。
その直前の犯行ということは、情報の漏洩が
あった可能性もあるのだろうか??
2名の容疑者が逮捕された。
母親を密猟者に殺されて孤児になったサイが
心身の傷を克服して、ようやく安心して成長できる
ようになったところで、このような残酷なことが
繰り返されることには、限りない憤りを覚える。
そして、孤児サイがトラウマを克服し、
元気に独り立ちして野生に帰ることを
目指して日々、サイのこどもたちの世話を
していた人々に、ここまで非道なことをする
密猟者は本当に許しがたい。
自分自身を傷つけられる苦しみと同時に
大切に守ってきた命が残酷に痛めつけられるのを
長時間、目の前で見せられる苦しみを味わされた
人々の計り知れない絶望を考えるともう言葉がない。