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親愛なる犀たちへ

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サイとゾウ空輸、ナミビアからキューバへ

ナミビアのサイ空輸のニュースから、
アフリカ現代史の一断面を知る。

そして、国の優先事項について
考えさせられた。

政治的配慮、深謀遠慮
国民の飢餓、野生動物保護
観光資源。


参照記事 :
1.La Nambibie envoie rhinocéros et éléphants à Cuba
(F)
2.Namibian rhino, elephant for Cuba zoo(E)
3.SPCA slams Namibia's plans to send 'Noah's Ark' to Cuba (E)
4.Cuba zoo gets ready for delivery of Namibian wild animals(E)≪キューバの国立動物園の様子の動画あり)

5。ナミビアの概要と開発課題(J)


ナミビアの観光環境大臣は、、「ノアの方舟・プロジェクト」の
最終段階として、9月初旬に10頭のサイと5頭のゾウを
キューバに空輸することを発表した。

「ノアの方舟・プロジェクト」とは、2009年にキューバの
カストロ大統領がナミビアを訪問した際に、両国間で
交わされた合意事項。、

内容は、「ナミビアの野生動物146頭を、キューバの国立動物園に
寄贈する」 というものであった。 

動物の金銭価値は合計約750万ナミビア・ドル(*)に相当する。


シロサイ、クロサイ、チータ、ヒョウ、ライオンを含む
23種120頭の動物は既にナミビアからキューバ移送され、
キューバの首都ハバナ郊外にある342ha の広さの
国立動物園で飼育・展示されている。

動物の輸送費用もナミビアが負担するもので、2011/2012年の
国家予算に2500万ナミビアドルが組み込まれていた。

担当大臣によれば、「ナミビアの納税者たちが、動物を捕獲し
キューバに輸送するための費用を負担することは、
このプロジェクト遂行のための正当な出費である」、という。


動物保護団体は、長時間の空輸は動物に大きいなストレスとなる、
キューバの環境に適合するかどうかわからない、なとの理由で
反対していた。

しかし、ナミビア側は、
「この計画は、CITES の要求事項に合致するものであり、
すべての動物がキューバに適応するかどうかの確認は
怠らない」、と主張。

そして、今回の野生動物寄贈の理由を以下のように
述べている。

「キューバは、1970年代から80年代にかけて
南アフリカ共和国からのナミビアの独立戦争のなかで
政治的および軍事的に支援をしてくれた。

キューバ国民は、自国の政府が我々を
支援することを認めてくれた。

だから、これは、ナミビアからキューバへの
”感謝のしるし”なのである。」


他方、ナミビア政府は、干ばつにより農作物ができず
飢餓に苦しむ人々の食糧用に、国立公園の400頭以上の
アンテロープや、その他絶滅危惧種ではない動物を
捕獲することを命じている。

ナミビアで飢餓に直面している人々は少なくとも40万人、
ユニセフによれば、この国では、5才以下の子ども
約11万人を含む約78万人の人々が栄養失調だという。



(以下、参照記事1より原文一部引用)
But Shifeta defended the translocation as Namibia's "token of appreciation" to Cuba for its support.

Cuba gave the southern African country political and military backing during its struggle for independence from South Africa in the 1970s and 1980s.

"Cuban people were not complaining when their government was supporting us," Shifeta told AFP.

(*)
ナミビアドルは、約10円。

------------------------------------
●ナミビア共和国
1884年 「南西アフリカ」としてドイツの保護領となる。
1914年 南アフリカによる統治開始
1966年~ ナミビア独立戦争
1990年  南アフリカ共和国より独立


南アフリカに統治されていた時代はアパルトヘイト政策下にあった。
現在は、経済格差が激しく、HIV問題が深刻。
by dearhino | 2013-08-31 15:35 | アフリカ | Comments(0)

ベトナムでサイ角の需要を減らすための長期キャンペーン開始

「私は、ベトナムに届くサイの角の多くが、
まだ生きているうちにサイの頭から
残酷に切り取られたものだということを
皆さんに知ってもらうために、ここに来ました。」


参照記事 :
1.Viet Nam fights to stop medical rhino horn myth (E)
2.Campaign Launched to Reduce Demand for Rhino Horn(E)


世界のサイの70%以上が生息する南アフリカでは、
今年になって既に580頭以上のサイが密猟された。

そのサイ角は東アジアの主に中国とベトナムに密輸されている。

ベトナムの最後のサイも、2年前に密猟者により殺された。

ベトナムでは、サイの角の粉を使った漢方薬が、抗ガン剤、解熱剤、
催淫剤、二日酔いの薬として効果があると信じられている、

また、高級ギフトあるいはステータス・シンボルとしての価値をもつ。

そのような現状のベトナムでなかで、8月26日から
「アジアの消費者からサイを救うキャンペーン」が始まった。

ハノイのイベントでは、ベトナムの・CITES当局 (*)が、
サイ角の需要を減らすため長期にわたる啓蒙キャンペーンを
実施することを開始することを発表。


キャンペーンの目的は、サイ角需要を減らすため、
ベトナム人に「髪や爪の成分の同じケラチンできているサイ角には
まったく薬効はない」という事実を知らせること。

まずはビジネス・リーダー、学生、伝統医学および西洋医学の医師、
学生、女性グループなどキーとなる人々に働きかけ、
そのコミュニティーの人々に広めてもらうことをめざす。


このキャンペーンに協力するHuman Society International
(世界的動物福祉団体のひとつ)野生動物部門のディレクターの
Teresa Teleckyは、

「この重要な問題について、ベトナムのCITES当局と協力できることは
喜ばしい。ベトナムでの需要を減らすことが、サイ角の不法取引の
市場を減らす根本的な解決策だ。」と語る。


このキャンペーンのために南アフリカからベトナムに来た
William Fowlds氏も次のように語る。

彼は、日頃、密猟者によって角を抉り取られたサイの
ぞっとするような傷を治療している南アフリカの野生動物医。

「ここから数千マイルも離れた私の国で苦しむサイのことなんか
東南アジアでサイの角を使用する人には、どうでもよいのかも
しれません。

でも、私は、ベトナムに届くサイの角の多くは、まだ生きているうちに
サイの頭から残酷に切り取られたられたものだということを
皆さんに知ってもらうために、ここに来ました。

私にとっては、それが日々の密猟の現実なのです。」


"William Fowlds, a South African wildlife veterinarian who has treated the appalling wounds of rhinos whose horns have been hacked from their faces, said: “From a distance of thousands of miles, the suffering of rhinos in my country may not register with people who use rhino horn in East and Southeast Asia. I'm here to remind people that rhino horns arriving in Vietnam have been brutally hacked from the faces of animals that are often still alive. For me, that's the day-to-day reality of rhino poaching.”
(参照記事2より、原文一部引用)



専門家は、このままでは、2026年までに、南アフリカの
クロサイとシロサイは絶滅するだろう、と警告している。



(*)
ベトナムは、1994年に121番目の CITES(ワシントン条約)
締結国となった。


-------------

ベトナムの環境保護団体 Education for Viet Nam Nature が
このほどリリースした広報ビデオでは、サイの角には薬効がないことは
言うまでもなく、サイの密猟問題にベトナムのサイ需要の増大が
どのように大きく関わってきているのか、などポイントを押さえて
わかりやすくセンスのよいアニメに短くまとめてある。

↓ (英語字幕つき)
Links between the killing of rhinos in Africa and consumers in Vietnam



このブログにおける関連投稿記事 :
http://dearhino.exblog.jp/16073046/ 
「サイの角が好きな金持ちベトナム人」

http://dearhino.exblog.jp/17746132/
『ベトナムで大量のサイ角を押収」
by dearhino | 2013-08-29 11:45 | ベトナム | Comments(2)

来年のライノ・カレンダー

100枚のサイの写真 !

Internationa Rhino Keeper Association が、
来年のカレンダー( 2014 Rhino Conservation Calendar)
用の12枚の写真を選ぶため、サイの写真のコンテストを実施し、
その上位12枚の写真が2014年のカレンダーを飾ることとなる。



コンテストの投票方法は、サイトにアップされた100枚の写真から
気に入ったものを10枚選び、投票フォームから送信するもの。
投票は誰でも可。

尚、カレンダーの売り上げはすべて、スマトラサイの保護
( the Sumatran Rhino Sanctuary)のために寄付される。

投票しなくても、100枚のサイの写真を見るだけでも楽しい。

38番の写真の、狛犬風だけれど、ジャワサイらしき
ふたつの石像の写真が面白い。 並んだ姿が何とも
可愛いいけれど、いったいどこにどんな風にあるのか?


100枚の候補の写真を見るのは、 ココから NEXT をクリック。


カレンダーは、9月1日から発売され、ライノデーの9月22日までは、
割引価格で22ドル、それ以降は26ドルとなる。昨年は完売した。


参照記事 :
2014 Rhino Conservation Calendar(E)


a0280851_10194372.jpgWelcome to the 3rd Annual Rhino Photography Contest!

(Photo Credit : IRKA)
by dearhino | 2013-08-28 10:47 | その他 | Comments(0)

ケニアでも密猟が増加

参照記事 :
1.Des braconniers abattent un rhinocéros dans le parc de Nairobi(F)
2.Rhino killed in Kenyan reserve(E)
3.Poachers kill rhino in heavily protected Kenyan park (E)


ケニアで最も警備が厳重で、サイにとっての
サンクチュアリでもあるナイロビ国立公園で
8月9日、シロサイ1頭が殺された。

きっちり囲われたその45平方マイル(116.6平方km)の
ナイロビ国立公園は, 首都ナイロビの中心部から
僅か7km のところにある、世界で唯一、
首都の近くで生態系が守られている場所だという。


Kenya Wildlife Service (KWS)によると
この6年間でこのような密猟は初めて、ということだ。

ケニアで2012年に殺されたサイは29頭であったが、
今年はすでに35頭にのぼる。


ケニアでは、36年前からサイの角の商取引は禁止されている。
しかし、昨年も、ブラックマーケットで、サイの角が1キロあたり
6万ドルで売られていた、とKWSでは見ている。

7月には、ケニアの Mombasa 港で、3トン、そして1.5トン
という大量の象牙の積荷が続いて押収されている。



"It is the first such poaching incident in the park in the last six years," he said, adding it brings the total number of rhino killed this year to 35, already more than the 29 killed in Kenya in the whole of 2012.
(ref.3)
by dearhino | 2013-08-16 08:30 | ケニヤ | Comments(0)

テロ組織の資金源となる密猟

原文コラム記事 :
Poaching pays for terrorism
translated by dearhino

Poaching pays for terrorism
The best opportunity to stop this dastardly business lies in collapsing demand for ivory and rhino horn in China and Vietnam


密猟が、
テロリストの資金源となる現実。

この卑劣なビジネスを止める
最も有効な手立ては、
中国、ベトナムでの需要をなくすこと。


アフリカにおけるサイとゾウの密猟との戦いに
アメリカは一千万ドルを出資するのというオバマ大統領の声明は、
この問題がのっぴきならぬところまで来ていることを示している。

2012年には、アフリカのゾウが象牙のために3万頭も殺された。
これはゾウの生息数の7.4%にあたる。

サイはさらに危険な状況かもしれない。
昨年1年間に、南アフリカでは668頭、
今年7月末までには既に536頭が殺されている。

20世紀初頭、アフリカとアジアで50万頭いたサイが
今や3万頭に減り、さらにこのペースで殺されているのだ。


アルシャバブ(1), 神の抵抗軍(2)、そして
サヘルからソマリアにかけての軍事集団のようなテロ組織は、
活動の資金を得るためにゾウやサイを大量に殺している。

密輸の仲介者として暗躍する国際犯罪シンジケートは、
象牙やサイ角を闇取引することにより、
荒稼ぎをしている。

そのため、彼らは、象牙やサイ角を密猟者から購入する。

その購入資金が、テロ組織に流れ、地球上の安全が
脅かされることになる。


サイやゾウの生息地であるタンザニア、ケニア、
南アフリカのような国にとって、その存在は
エコツーリズムでの多くの雇用と外貨収入をもたらす。

しかし、もし動物と観光客がいなくなれば、雇用、
そして国の未来さえ失われ、人々が貧困に苦しむ。


これらの動物を保護することは、
戦争とでも言えるような血なまぐさい戦いであることを
アフリカ以外ではあまり知られていない。

重装備の武装密猟者に対抗しているのは、
大した装備もしていない保護レンジャーであるという
現状にもかかわらず。

この戦いでは、動物を守ろうとする側が恐るべき出費をし、
密猟者側はここ数年で数百人の保護レンジャーを
殺している。

高度な装備をした密猟者に対して
勝ち目のある戦いをするには、保護レンジャーにも 
もう少し使える兵器、広い保護区を監視するための
無人偵察機、迅速な対処が可能なヘリコプター、
夜間用ゴーグル、が必要だ。


しかしながら、殺戮を止めるための最善の方法は、
中心的需要国である中国やベトナムの象牙やサイ角の
需要をなくすことだ。

これをしない限り、どんなに密猟に対抗しようとしても
あまり成果はない。密猟の金銭的対価があまりに高いので、
それに目が眩む人が後を絶たない。


そして、驚くべきことに、野生生物製品の不法取引の防止に
取り組む組織 TRAFFICの報告によると、
中国の2億3000人を超える新興中間層は、
豊かさの証しとして象牙を買いたいと思っているという。


同様にサイ角も金持ちのステータス・シンボルだ。
特にベトナムでは、金持ちは二日酔いに効くとして
サイ角の粉を買う。それもまた自分の富の証なのだ。

誰かわからないけどベトナムの政治家が、
サイ角の粉末薬を飲んで、どこかのガンが
治った噂を聞いて、サイ角を買うひともいる。
何と残酷な都市伝説なのだろう。



需要を減らすためには、人々が変わらなくてはならない。

象牙やサイ角を買うこと、それは、明らかに
苦難が続く動物たち、殺される勇敢な保護官たち、
そして、テロの脅威と連鎖している。



中国やベトナムの購買層へのメッセージは
月並みなものでは駄目だ。

彼らの心に届くものでなくてはならない。

この事態を理解している中国やベトナムの
ネットワーカーなら、密猟の状況を示す映像や写真を
インターネットを通じて広めることもできるだろう。

最終的ゴールは、象牙やサイ角を買うことが、
文化的、社会的に嫌悪感を起こさせるものに
することであろう。


絶滅の危機に瀕する動物を救うための
アメリカの資金的貢献は反密猟のための
装備に使われるであろうが、それだけでなく
薬効のないサイ角の粉末や象牙のアクセサリーを
買うことが引き起こす恐ろしい結果を、
草の根ネットワークによって広める努力も
また必要であろう。


If this effort fails, elephants and rhinos, which have roamed this planet for tens of millions of years, will have but a decade left on Earth. Their very survival lies in the hands of the people of China and Vietnam who are thinking of buying ivory or rhino horn.

もしこの努力が実を結ばなかったら、この数千万年間、
地球上を歩き回っていたゾウやサイがあと10年で
姿を消してしまうだろう。

ゾウやサイが生き残るかどうかは、
象牙やサイ角を買おうかと思っている
中国とベトナムの人々の手にかかっているのだ。


By Dr Keith Martin
ワシントン、地球環境に関する大学コンソーシアム事務局長。


訳注 :
1、Al Shabab  (ソマリアのイスラム武装勢力)
2. the Lord’s Resistance Army (ウガンダの反政府武装勢力)


ベトナムにおけるサイ角、関連のする以前の投稿記事 :
「サイの角が好きな金持ちベトナム人」

by dearhino | 2013-08-13 23:05 | 世界 | Comments(0)