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親愛なる犀たちへ

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オークションにかけられるクロサイの命

1頭のクロサイを
大金持ちのアメリカ人に
撃ち殺させてもらえれば、
1800頭のクロサイに
いいことありますよ。




サイを絶滅から救うべく、サイの命を守るため密猟と戦う努力が
続けてられているなか、「1頭のサイを殺す」ことで、
サイの保護をしようという計画がある。



米テキサスの狩猟愛好グループ、ダラス・サファリクラブでは、
約1800頭のクロサイが生息するナミビア北東部の
Mangetti 国立公園の「クロサイ1頭を撃つチャンス」を
オークションにかける予定だ。

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ダラス・サファリクラブは、すでにナミビア政府から、
「クロサイ1頭を撃つ」許可を得ている。


同クラブはオークションを2014年1月に実施する予定で、
この許可証が、少なくとも25万ドル、できれば100万ドルで
売れることが期待され、それは全額、ナミビアのクロサイ
保護トラスト基金に寄付される。


クラブ事務局長のベン・カーター氏は、次のように語る。

「その資金が、密猟の監視やサイの頭数チェック
健康観察などトラスト基金の活動のために使われれば、
1頭のサイの損失をはるかに上回る利点があるはずだ。

それより、サファリ写真を売ればいいじゃないかと、
よく言われる。それもオークションにかけるが、
人々はそういうものには大金を払ってくれない。
もちろん、サファリに野生動物を見に行き、
猟銃ではなくカメラで野生生物を撮るために、
お金を使う人がたくさんいることも事実だが。」


アフリカ南部の国であるナミビアは、約1800頭のクロサイが
生息、その頭数ならば年間5頭までのクロサイを殺すことが
認められている。ダラス・サファリクラブによると、
限定的狩猟は、アメリカ野生動物局、国際自然保護連合,
CITESに支持されている保護戦略だという。


アメリカのFish and Wildlife Service(魚類野生生物局)
によると、過去には2009年にアメリカ人ハンターがクロサイを
1頭殺す許可を得て、そのために支払われた17万5000ドルが、
ナミビアの保護活動のためのトラスト基金に寄付された
ことがあるそうだ。


ナミビア政府は、狩猟許可を与えるのは、すでに子供を
設け、繁殖能力が落ちてきている年齢の高いクロサイに
することを決めている。


クロサイは、縄張り意識が高く、年齢の高いオスが若いオスの
繁殖を妨げるので、こうしたサイを排除することで、そのエリアの
若いオスが多くの子どもを作ることができるようになる、という。


オークションで権利を得たハンターは、狩猟のガイドを雇い、
ナミビア野生動物局の役人同伴で狩を行わなければならない。


アメリカのFish and Wildlife Service(米国魚類野生生物局)
によると、アメリカ政府はまだ、サイの死体をアメリカに持ち込む
許可をダラスクラブに対して与えていないという。


このオークションは、サイの保護に取り組んでいる人々にとって、
理解に苦しむものであり、それより基金にお金を寄付すれば
よいではないか?絶滅危惧種を殺すことは許されない、
と他の保護団体は反対している。


アメリカ最大の動物愛護団体 The Humane Society of
the United States (「全米人道協会」)もこのオークションの
ニュースに懸念を示し、アメリカ政府がサイの死体を持ち帰る
許可を与えないようにキャンペーンを実施する。



参照記事 :

1."Kill a rhino, save the rhino?"(E)
2.Texas ‘safari club’ auctioning chance to kill rhino in the name of conservation(E)
3."Dollas Safari Club to "Save Rhinos" by Auctionnig off a Rhino Hunt"(E)
4.Texas hunters to auction permit to kill black rhino(E)
5.Un permis de chasser un rhinocéros de Namibie aux enchères au Texas(F)



以下、参照記事4.原文一部引用 :

”Washington (AFP) - A Texas hunting club said Friday it aims to raise up to a million dollars for endangered black rhinoceroses by auctioning off a permit to kill one in Namibia.

"First and foremost, this is about saving the black rhino," said Ben Carter, executive director of the Dallas Safari Club, which is hosting the auction early next year.”


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大金を出して、狩猟許可を勝ち取ったハンターが、
もし、わざと弾を外して、サイを殺さなかったら、
彼の名は、サイを救ったヒーローとして世界中に
知られるでしょう。

そうすれば、サイ殺しのために支払ったお金も、
自己宣伝費として結構ペイされることにならない? 

お金持ちには賢くお金を使って欲しいわ!
by dearhino | 2013-10-26 23:56 | ナミビア | Comments(2)

M99 に言及する最近の密猟関連記事2題

M99 とは、動物用麻酔薬として
使われる「塩酸エトルフィン」の
商品名(ノバルティス社)。

モルヒネの1000倍の鎮痛作用があり、
日本でも獣医がゾウやキリンなどの
大型動物に使用。安楽死させる場合にも
用いられる


(Ref :Wikipedia エトルフィン項目)



参照記事1 (10月4日付):
Mutilated rhinos found alive in reserve(E)


角をえぐり取られ負傷した2頭のシロサイが、
ふらふら歩いているところを、南アフリカ南東部
エストコートに近いWeenen自然保護区で
発見された。

Ezemvelo (南アの野生生物保護の政府組織)の
関係者は、それらのサイは、獣医用麻酔薬の入った矢を打たれ、
動けなくなったところを斧で角を叩き切られた、と見ている。


このような場合、野生動物獣医は、負傷したサイを保護区の
囲い地に連れて行くか、自然治癒させるかを決めなくてはならない。

もし、傷がかなり深いと診断したら、2頭のサイは
経過観察ができる保護地内の囲い地に移送することになる。


実は、同じ保護区で、先週から他にも5頭のサイが
殺されて角を奪われている。

それらの5頭も、M99という大型哺乳類用麻酔薬の、
致死的な過剰摂取により死亡したと見られている。


こうした事実から、新たなタイプの密猟シンジケートが
活動を始めたのではないか、と考えられる。

Ezemveloの関係者は、この手口に関して、
「我々にとって痛手であることに変わらないが、
残虐性については幾分マシかもしれない。」
とも語っている。


以下、参照記事1.原文一部引用 :
“The preliminary suspicion is that they all died from a fatal overdose of what is believed to be the M99 drug. Forensics will determine the drug used and if it actually killed the animals.


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参照記事2 (10月7日付):

La Zambie déplore l'utilisation des produits chimiques pour tuer des éléphants et des rhinocéros(F)


ザンビア・ポスト紙によると、ザンビア政府は、
「密猟者が、ゾウやサイを捕獲するために
有毒化学物質による新たな捕獲手段を
用いることが、新たな脅威になっている」
という懸念を示した。

有毒化学物質とは、大型哺乳類を捕獲するために
用いられるM99と呼ばれる薬剤である。

ザンビアの観光および芸術大臣シルビア・マセド氏は、
「密猟方法は、だんだん巧みになり、商売としても
さらに利益が上がるようになり、密猟が激化している」と
語った。


以下、参照記事2.原文一部引用 :
”Dans le passé, ils utilisaient des armes et des pièges, mais maintenant ils utilisent des médicaments pour tuer les mammifères. J'ai appris qu'il ya un médicament appelé M99 utilisé pour capturer les gros mammifères", a déclaré Mme Masebo.”
by dearhino | 2013-10-17 23:41 | 南アフリカ | Comments(0)

ベトナムのサイ角購買層分析(3)

今回の調査結果 (*)から、
サイ角をベトナム人に買わないでもらうために
どんな方策が立てられるだろうか?




参照記事 :
1.True motive behind rhino poaching(E)
2.Vietnam’s market for rhino horn could quadruple(E)


「WWF南アフリカは、この調査結果を踏まえ、
彼らの嗜好を車やブランド品の洋服など
サイ角以外のステータスシンボルに向かうように仕向け、
サイ角への見方を変えることに希望をつないでいる。

我々はサイを救うことができると信じている。南アのサイの数は
まだ減っていない、アジアで起きていることを変えなくてはならない。
韓国、タイでもサイ角需要は膨らんだが、既に鎮静化している
ではないか。」

(WWF-南アフリカ・コーディネーターDr. Shaw))


「ベトナム人に対して、血を流しているサイ、
死んだサイの画像を見せても、あまり効果が
ないことがわかった。

従って、密猟撲滅キャンペーンは、
角を奪われる時のサイが
どんなに悲惨な状況であるかよりも、

サイの角の消費者が、
いかにダサくて愚かであるかに、
焦点を当てる必要がある。

ベトナム・トラフィックでは、ベトナム健康省や
伝統薬の協会とも協力して、ガンのような深刻な
疾患の治療へのサイ角薬の使用を減らすよう
働きかけている。

ベトナムの役所は、サイ角に関して、
理論的に堅固な法的枠組みの強化を
行わなければならない。」

(トラフィック・ベトナム、Dr. Doak )


以下、参照記事1.より原文一部引用。
"Anti-poaching campaigns therefore had to focus
on how "uncool and foolish" horn users looked,
rather than how the rhino looked when their
horns were removed.

(*)
ブログ内関連投稿記事 :
http://dearhino.exblog.jp/18709856/
「ベトナムのサイ角購買層分析(その1)」
(2013.10.08)

http://dearhino.exblog.jp/18735253/
「ベトナムのサイ角購買層分析(その2)」
(2013.10.10)
by dearhino | 2013-10-11 22:33 | ベトナム | Comments(0)

ベトナムのサイ角購買層分析(その2)

ベトナムでは、
何人にひとりが
サイ角製品を買っているの
でしょう?

そして、その何倍の人々が、
将来、サイ角製品を
買いたいのでしょう?



参照記事 :
1.True motive behind rhino poaching(E)
2.Vietnam’s market for rhino horn could quadruple(E)



WWF-SA(南アフリカ)によって実施された
ハノイとホーチミンの720名の人々を対象に行われた
今回の調査は、サイ角の消費者像を探る調査としては、
過去最大の規模である。

この調査から、現在のサイ角購買層のプロフィールだけでなく
彼らの背後に、将来のサイ角購買層となり得る人々が
たくさん控えている、ことが明らかになり、これは、
この調査結果の最も注目すべき点である。


具体的な数字で言うならば、
ベトナムの全人口 8700万人の5% とされる
現在のサイ角購買層の背後に、 その3倍の数の、
もし経済的余裕ができたら、サイ角を購入したいという人々
(今回の調査対象のなかでは16%)が、控えている、
ということだ。

現在、高価なサイの角を買うことの出来る人々は、
ベトナム社会での成功者であり、それなりの影響力が
あるために、まだ手の届かない人々、少し若い人々が、
彼らに倣いたい、という思いを持ってしまうのであろう。


以下、参照記事2.より原文一部引用 :
"The most significant finding is that beyond the current consumer group, estimated at 5% of the 87-million strong Vietnamese population, lies a large group of people — three times the size (16% of the people surveyed) — intent on buying or using rhino horn in the future, Dr Shaw said at the launch of the research in Johannesburg."


ブログ内関連投稿記事 :

http://dearhino.exblog.jp/18757907/
「ベトナムのサイ角購買層分析(その3)」
(2013.10.11)

http://dearhino.exblog.jp/18709856/
「ベトナムのサイ角購買層分析(その1)」
(2013.10.08)


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少なくとも、20人中19人のベトナムの人たちが、
今後も決してサイ角を買わないよう願うばかり。



by dearhino | 2013-10-10 15:16 | ベトナム | Comments(0)

ベトナムのサイ角購買層分析(その1)

サイの角を買うベトナム人は、
どういう人々なのだろうか?


WWF-SA (南アフリカ)が、Trafficのベトナム事務所に依頼し
2012年11月から2013年月までに、ベトナムのハノイと
ホーチミンで720人を対象に調査した結果、サイ角の
購買層について、以下のようなことが明らかにされた。

参照記事 :
1.Vietnam’s market for rhino horn could quadruple(E)
2.True motive behind rhino poaching(E)


サイ角の使用目的  

ガンのような疾患に治療的効果があると信じられているにも
拘わらず、実際は主に、ステータスシンボルとして、あるいは
所謂万能薬(一般的風邪、解熱、二日酔いなど*)として利用されることが多い。

健康志向に合致。

見栄 (パーティードラッグとしても使用*)、あるいは
名誉 男らしさ、の顕示。

社会的プレッシャーも大きい社会で、周囲の人々が皆
持っているものを持っていないことに耐えるのは難しい。

贈答品として利用。




信じている効能 

サイ角を所有すると、心に平和がもたらされる。
なぜなら、サイ角の効用のひとつは、
身体の中の毒を減らすことだから。

サイ角を服用することは、身体を快適にし、
食欲を促進させ、体温を安定させる。



職業 

教育程度が高く成功し、影響のある人。
専門職ビジネスマン、著名人、キャリア官僚 など。
上流および中産階級。



年齢 

40代以上の富裕層。
年齢の高い富裕女性の場合は、家族のために購入するが
自らは利用しないケースが多い。



入手方法 

かつては小売り店で広く入手できたが、
今は、口コミで信用される仲介人のネットワークを
通じて入手。



最近の傾向 

以前は角の一部で満足していたが、
今は出来れば角1本まるごと購入したい。



密輸品に対する感覚 

違法であることは知っていても買うことを躊躇しない。

事の重大さを理解していないので罪の意識がない。




密猟に対する感覚

たいていの人は、角を奪われる時にサイが
殺されることを知らない。

密猟者によって残忍に殺されたサイの写真を
見てもあまり反応を示さない。



(*: 訳註)

ブログ内関連投稿記事 :

http://dearhino.exblog.jp/18735253/
「ベトナムのサイ角購買層分析(その2)」
(2013.10.10)

http://dearhino.exblog.jp/18757907/
「ベトナムのサイ角購買層分析(その3)」
(2013.10.11)


http://dearhino.exblog.jp/16073046/
「サイの角が好きな金持ちベトナム人 」
(2012.08.01)



by dearhino | 2013-10-08 23:03 | ベトナム | Comments(0)

725


南アのサイ密猟数、
前代未聞の急増。



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 ~9月13日  635
~ 9月21日  668

~ 10月3日  725




参照記事 :
1.Afrique du Sud : 725 rhinocéros tués par les braconniers depuis le début de l'année(F)

2.S. Africa rhino poaching hits new high(E)


10月3日の南アフリカ環境省の発表によると、
今年これまでに密猟で殺されたサイの数は、
725 頭。

密猟による逮捕者は、228名。


密猟に対して、効果的手段が講じられなければ、
2026年までに、サイは絶滅に向かうと予想される。

現在、南アフリカが、世界のサイの73%の
生息する国であるのは、サイの保護に力を尽くし
成功してきたからだ。

その結果、密猟の最大の標的国となり、
密猟との戦いに、大変な負担を強いられて
いるのは、何と皮肉なことだろう。


実際には薬効はないにも拘らず、サイ角が
万能薬、あるいはステータス・シンボルと
信じられている中国やベトナムでの
需要の増大を背景に、犯罪シンジケートによる
密猟が加速化されているのが現状。



下記、参照記事1.より原文一部引用。
”Le nombre de rhinocéros tués par des braconniers pour leur corne depuis janvier 2013 est passé à 725, dépassant le dernier record annuel de 668 établi en 2012, a rapporté jeudi le Département des Affaires environnementales (DEA).”


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ある日、卑怯者の銃弾に撃たれ
残酷な方法で角を奪われ、
苦しみながら死んでいくサイが、
1ヶ月に100頭以上、

こんな理不尽な現実が
南アフリカに起きてしまった。

by dearhino | 2013-10-05 12:15 | 南アフリカ | Comments(0)