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親愛なる犀たちへ

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860

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11月22日の
南アフリカ環境省の発表によると

今年、角目的で殺されたサイの数は
860 に達した。



南アフリカには9つの州がある。
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860頭のうち、521頭はクルーガー国立公園で
殺されている。

以下は、南アの全9州の2010年からの密猟数の推移 :

South Africa   2010-----2011-----2012-----2013
-----------------------------------------------------------------

クルーガー国立公園 146------252------425------521
マラケレ国立公園  0---------6---------3---------3

ハウテン州  15--------9-------14--------4
リンポポ州  52------74-------59-------87
ムプマランガ州 17------31-------28--------77

北西州 57-----21-----77-----82
東ケープ州 4-----11------7-------5
フリーステート州 3-------4-------0-------2

クワズール・ナタル州 38------34------66------79
西ケープ州 0-------6-------2-------0
北ケープ州 1-------0-------0-------0


Total   333-----448----668-----860


クルーガー国立公園はリンポポ州とムプランガ州にまたがり、
マラケレ国立公園はマラケレ州にある。

サイの密猟は殆ど、北半分の南アフリカの問題のようだ。


参照記事 :
1.http://www.ewt.org.za/programmes/LPP/stats/22%20November%202013.pdf
2.https://www.environment.gov.za/mediarelease/rhino_poachers_sentenced


以下、参照記事2より一部引用 :

”The number of rhinos killed for their horns in South Africa since January has increased to 860. Of the rhino poached, 521 have been killed in the Kruger National Park. A total of 87 rhinos have been poached in Limpopo, 82 in North West, 79 in KwaZulu-Natal and 77 in Mpumalanga.”
by dearhino | 2013-11-26 23:22 | 南アフリカ | Comments(0)

825

a0280851_189436.jpgこの825は、10日前までの
南アフリカにおける
今年のサイの違法殺戮総数。



それから今日まで何頭のサイが
殺されていることか?

せめて、長く苦しまないように
一気に殺して欲しい。

それより、麻酔銃で眠らせて、
サイを傷つけないように
角の部分だけ切り取って、
麻酔から醒めたらまた生きられる
ようにして欲しい。

勿論、生きたサイの角を奪うことを
やめてくれるのが一番。



参照記事 :
1.The number of rhinos illegally killed in South Africa in 2013 has reached an appalling 825 as of November 6 — surpassing the 2012 death toll of 668 rhinos.
2.Tide turns on one front in Africa's war against rhino poachers


●クルーガー国立公園

11月6日の時点で、南アフリカで今年、不法に殺されたサイの数は825頭となった。昨年1年間に殺された668頭をはるかに超えて
しまった。

825頭のうち、約500頭は、南アのサイの60%以上が生息
しているとされているクルーガー国立公園で犠牲となっている。
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このペースで密猟が続けば、2014年は1000頭以上のサイが殺され、現在およそ22.000頭とされる南アのサイが頭数を減らす
分水嶺となるであろう。


今年、ここまで密猟数が増加したことのひとつの原因が、
3月14日の南アのモレワ環境大臣のサイ角取引合法化提案*に
由来するという見方がある。



(36年前から禁じられているサイ角の取引を一度限り解禁し
南アにストックされている18トンのサイ角を市場に放出し、
超高値の闇取引を抑制する、という提案。)


イギリスの環境保護NPO,the Environmental Investigation
Agency の調査では、その直後から9月までの週平均のの密猟数は
南アの提案以前の約15頭から18頭へ跳ね上がったという。

その後も、密猟のペースは上がり続け、10月の4週間で殺された
サイは100頭にもなってしまった。

その理由としては、密猟犯罪シンジケートが、環境大臣の
その提言に即座に反応して、取引合法化による値崩れを恐れ、
その前にさらなる乱獲を目指している、ということが考えられる。

そのため、取引合法化案は、予想される結果に関しての綿密な調査
ならびに検討が不足、、という批判を受けている。

しかし逆に、この案を強固に支持しているロビー団体もある。



●マディクウェ動物保護区

悪化の一途を辿る南アフリカの密猟状況のなかで、密猟防止に着実な成果をあげているのが、南アフリカのマディクウェ動物保護区
(Madikwe Game Reserve) である。

この保護区では2011年に3頭、2012年は、18頭のサイが
密猟され,今年の4月半ばまでに9頭が殺された。

しかし、今年4月に密猟されたのが最後で、それ以後は
1頭のサイも殺されていない。

それは、4月から実施されたレンジャーの訓練と装備の強化の
成果であった。

レンジャーの大半は地元民で、生活のための知恵や技術、
動植物についての知識を豊富であったが、戦いの訓練など
受けたことはなく、粗末な履物とジーンズで見回りをする
だけだったので、国際的な犯罪組織の武装密猟者を相手に
しては、まったく勝ち目はなかった。

しかし、その彼らが、アフリカ大陸で反密猟を掲げる慈善団体、
Ichikowitz基金(Ichikowitz Family Foundation) * から
提供された望遠鏡装備のライフル、夜間パトロール・ランプなど
最先端の道具一式を支給され、英軍特別部隊の元兵士から
軍事訓練を受けたことで、大きな成果を上げたのである。



(創設者の Ivor Ichikowitz は、南アフリカ出身の大実業家。
広くアフリカ大陸全体で石油、ガス、鉱業、農業、開発、観光など
幅広い分野で成功している。)


●クルーガー国立公園 vs
  マディクウェ動物保護区


クルーガー国立公園でも、特別部隊の元兵士の戦闘技術を取り入れ、密猟者と戦っているが、今年も既に500頭のサイが殺されて
いる。

なぜ、クルーガー国立公園 では成果が上がらないのだろうか?


クーガー国立公園とマディクウェ動物保護区との
の決定的は違いは、大きさと地理的な位置にある。

2万平方km のクルーガー国立公園(イスラエルとほぼ
同じ面積)は、680平方kmのマディクウェ動物保護区の
40倍の広さがある。

そして、クルーガー国立公園は、350kmの長さにわたって、
隣国モザンビークと接している。

モザンビークは世界最貧国のひとつで、農村の人口は多く、
そこには、サイの密猟ビジネスから人集めの声が多くかかるのだ。

それに対し、マディクウェ自然保護区が国境を接しているのは、
人口が少なく比較的豊かな国であるボツワナである。
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クルーガー国立公園の密猟数が多いのは、サイの生息数が
多いことに加え、こうした悪条件が重なっているという事情があるのだ。


しかし、マディクウェ自然保護区だけでなく、南アフリカの
他の場所でも、資金提供者や国の資金があれば、
マディクウェのように密猟防止に成功する余地はまだあると、
考えられている。


以下、参照記事2.より原文一部引用 :

"Then the killing stopped in Madikwe, while the toll has continued to rise in the rest of South Africa. According to government data, as of November 6, 825 rhino had been poached in South Africa in 2013, compared to 668 for all of last year.

If the trend stays at its current pace, more than 1,000 rhinos would be killed in 2014, putting the roughly 22,000 animals in South Africa on the brink of population "



ブログ内関連投稿記事 :
http://dearhino.exblog.jp/18656929/
「南アのサイ角取引の合法化提案、その後。」
(2013.09.29)

http://dearhino.exblog.jp/18068584/
「南アフリカ, 自国のサイ角ストック売却案」
(2013.07.11)


-----------------------------------------------------

動物保護区の広さをイメージすることはなかな難しい。


南アフリカ    1.221.000 平方km
ジンバブエ     391.000
日本          378.000
イスラエル      20.770


クルーガー国立公園  20,000 平方km   
マディクウェ保護区     680


東京            2.188 平方km
神奈川           2.416     
千葉            5.157
埼玉            3.797
茨城            6.096
------------------------------------
合計面積 19.654平方km (クルーガー国立公園とほぼ同じ)


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"上記の1都4県を合わせた広大な自然の地に、
1万頭余りのサイが住む。

そこに、サイ大量虐殺のためのハイテク密猟者集団が
送り込まれる。

特に茨城の北部あたりから密猟者の進入が多い。
(単に茨城の位置がモザンビーク方向なので)

今日も、関東地方のどこかで、角を残酷に抉り取られ
苦しむサイ、あるいはその果てに死んだサイの
巨大な身体が2-3体、地面にころがる。

レンジャーが、密猟者を発見した場合には、
命がけの戦闘が繰り広げられる。"


クルーガー国立公園を日本の関東地方に置き換えて
みると、こんな感じなのだろうか?


クルーガー国立公園の40分の1の面積のマディクウェ保護区でも、
東京23区より大きい。これだけの広さを一気に密猟をゼロできたのは、
画期的な成果だ。


マディクウェ保護区     680 平方km
東京23区           621
琵琶湖              670            


狭い日本に暮らしていると、想像すらできないよいうな
広さのなか、密猟者もサイを見つけるのが大変かも
しれないが、身を隠す技術もあるはずの密猟者を
見つけることは、本当に大変なことだ。
by dearhino | 2013-11-16 15:50 | 南アフリカ | Comments(0)

えっ ?

サイを困らせなくて
よかったけれど、
CNN
(*1)の誤発信で
IUCN(世界自然保護連合
*2
大わらわ。


参照記事 :
1.Le rhinocéros noir d’Afrique a disparu ? C’est plus compliqué que ça(F)
2.Western black rhino declared extinct (E)
3.Ex-Rhino(E)


事の発端は、CNNが、2011年11月10日に発信した
”IUCNによるニシクロサイ(*3)絶滅宣言”のニュース記事を、
3日前の11月6日にうっかり再発信したことにある。

そして、約30の英語ニュース・ソースが、 Google Newsを
通じて、その記事を取得し、そのまま発信した。

元のCNN記事には、その後、断り書きとして、
この内容の記事が最初に発表されたのは、
2年前の11月10日(*4)、と付け加えられたが、
新たな発信者が元の記事を確認することなく、
雪だるま式に情報が拡散してしまった。

その結果、突然、IUCNには2年前のニシクロサイ絶滅宣言に
ついての問い合わせが殺到することになり、事情を知らない
IUCNは何事かと驚愕した。


*
註1. CNN (Cable News Network) :
アメリカのケーブルTV向けニュース専門放送局

註2.IUCN :
    International Union for Conservation of
     Nature and Natural Resources。
    国際的な自然護団体で、国家、政府機関、NGOなどを
    会員とする。 ここで作成されるレッド・リストは、
    専門家のデータとして最も信頼されている。

註3.ニシクロサイ :
    クロサイの4亜種のひとつ。
    最後に確認されたのが2006年で、2011年に
    IUCNによって、絶滅宣言が出された。

註4.CNNの断り書き :
    "Editor's note: This piece was first published
     on November 10, 2011 and references 2011 reports from the IUCN.


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©Maki Naro

このイラストを描いたアメリカのSciencecomic ライター、
Mak Naro は、2年前のニシクロサイ絶滅のニュースが
今回、誤って再発信されたのは、それだけ世の中がせわしなく、
動物が1種、ひっそりと闇に消えていったことなど、
人は簡単に忘れてしまうからだ、と言う。

by dearhino | 2013-11-10 10:34 | その他 | Comments(0)

ケニヤのすべてのサイにチップ埋め込み

「役人のだんなー、
 このサイの角は骨董品ですぜ。
 なんも悪いこと
 してませんけど。」


なんてもう言わせない!



参照記事 :

1.密猟対策でサイ全頭にマイクロチップ装着、ケニア
2.Kenya implanting microchips in every rhino to fight poaching (E)
3.Kenya : des puces électroniques sur les rhinocéros pour lutter contre le braconnage(F)
4.Une puce ou du poison dans la corne des rhinoceros pour mettre fin au braconnage(F)


現在、ケニヤには、クロサイが約630頭、シロサイ約400頭、
合計約1030頭のサイが生息しているが、2012年には
29頭のサイが殺された。

そして。今年は8月には、ケニアで最も警備が厳しく
サイのサンクチュアリとなっているいナイロビ国立公園で
サイが殺された。この時点ですでに密猟数は35頭だ。

そのため、ケニヤでは、密猟対策として、
自国の約千頭のサイすべて対して、
マイクロチップ装着を決定。

4ヶ月かけて、全頭の角の部分と、明らかにされていない
もう一か所に、大きさ2インチ(約5cm)以下のマイクロチップが
埋め込まれる予定だ。

マイクロチップと、サイの移動や密猟者追跡のための5種類の
位置情報取得用スキャナーにかかる費用は、WWF・ケニヤに
よって提供されたが、埋め込みの手間やコストはそれ以上に
大きい。

しかし、チップが装着されれば、そのサイが殺され、
角が押収された場合、チップから正確な個体情報が明らかに
なるという利点があり、密猟者や密輸業者を摘発や裁判の際に、
決定的証拠となる、と考えられる。


つまり、

「この角は骨董品だから、当時の合法的な狩猟
によるもので、密猟には関係ない。」


という、これまでの容疑者の言い逃れの常套句が
即座に覆され、今後通用しなくなるのだ。


闇取引されるサイ角の価格は、金やプラチナの価格の2倍の
1キロあたり6万ドルにも達することがあり、組織化された
密猟犯罪シンジケートは、潤沢な資金を得ている。

そして、密猟にテロリストとして訓練された人材が
導入されることもあり、軍隊使用レベルのヘリコプター、
サイレンサー付きの高価な銃、夜間用ゴーグルを使用して、
密猟するので、保護レンジャーが命がけで阻止しようと
しても、なかなか食い止めることができないのが現状である。



以下参照記事3.より、原文一部引用 :

"Pour lutter contre le fléau du braconnage de ses rhinocéros, le Kenya a décidé de faire appel à la haute technologie : le pays va implanter des puces électroniques dans les cornes de ses mille rhinocéros recensés, a annoncé mercredi 16 octobre l'organisme national de protection de la faune et de la flore."



ブログ内関連投稿記事 :

http://dearhino.exblog.jp/18357059/
「ケニヤでも密猟が増加」
(2013.08.16)

http://dearhino.exblog.jp/18507754/
「ケニヤのクロサイ、21頭の国内移動 」
(2013.09.25)
by dearhino | 2013-11-07 17:57 | ケニヤ | Comments(2)