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親愛なる犀たちへ

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絶滅危惧動物保護への意識・アメリカ人の場合


アメリカの Center for Biological Diversity
(生物多様性センター)の最近の調査によると、

アメリカ人の 61%
 :
野生生物の絶滅状況に
危機感をもっている。

アメリカ人の 66%
 :
アメリカ議会が、絶滅危惧種に関する条例を
より強化、あるいは現状維持すべきと考えている。

アメリカ人の 50% :
あまりに多くの動植物が絶滅の危機に
追い込まれているのは、
絶滅が危惧される動植物に対する
国家の保護が足りないため、と考えている。


a0280851_11393580.jpgby Ryan Huertas













参照記事 :
1.Are Americans Grasping the Plight of the Rhino?
2.New York State Passes Historic Ban on Sale of Elephant Ivory and Rhino Horn
3.Southern White Rhino Listed Under U.S. Endangered Species Act
4.African wildlife-hunting cheerleader Kendall Jones targeted by critics



アメリカ人の上記のような意識傾向は、
オバマ大統領がこの問題を重要視していることが
影響している、と見られる。

オバマ大統領は2013年、野生動物の不法取引撲滅
のために大統領直轄のタスクフォースを設立し、
ゾウやサイなどの絶滅危惧種の密猟を阻止するため
南アフリカやケニヤなど関係国に計1千万ドル
(約10億円)の資金を提供することを表明し、
野生生物の不法取引や密猟に対して断固たる
姿勢で戦うことを示したのである。


さらに2014年2月、オバマ大統領は、
アメリカ国内における象牙の販売の全面的禁止を
めざした規制を発表している。

それに続く動きとして6月には、ニューヨーク州で
象牙とサイ角(骨董品を含む)の全面的な売買禁止が、
州議会で決定された。

アメリカは中国に次ぐ世界第2位の象牙市場であり、
ニューヨークは国内最大の市場であるが、
市民の80%以上が、今回の決定を支持している。


また、南アフリカで昨年、密猟された約千頭もの
サイの大半がシロサイであるにも拘わらず、
ICUN(世界自然保護連合)のレッドリストでは、
クロサイやインドサイよりも絶滅の危険が低い
Near-threatened(準絶滅危惧種)に
分類されているシロサイを、2013年9月、
US Fish and Wildlife Service (米国合衆国魚類
野生生物局)は、米国絶滅危惧種法における 
”threatened species"(絶滅危惧種)に
指定している。


しかし、最近、絶滅危惧動物の保護への動きに
逆行するようなアメリカ人の行動が、メディアで
大きく取り上げられ、米国内外から激しい非難の声が
浴びせられてもいる。

具体的には、アフリカのナミビアでクロサイを撃つ
権利証をオークションで35万ドルで落札した
テキサスの男性に殺害予告の脅迫状が多数
送られたり、狩りが趣味で、撃ち殺したサイや
ライオンの横で微笑む自分の写真をFacebook に
公開したテキサスの女子大生に関して、
数十万人がそのページの削除要請し、Facebook側が
削除に応じる、などというこが起きている。


希少動物のハンティングに対するこのような
嫌悪や反発の大きさは、狩りの戦利品
(ハンティング・トロフィー)のアメリカ国内
への持ち込み禁止の決定への今後の後押しに
なるのでは、と思われる。



以下、参照記事2.より原文一部引用 :
The Wildlife Conservation Society, Natural Resources Defense Council, and The Humane Society of the United States praised the New York State Legislature today for passing landmark legislation that bans the sale and purchase of elephant ivory and rhino horn.


ブログ内関連投稿 :
「ナミビアのサイ撃ち許可証、35万ドルで落札」
http://dearhino.exblog.jp/19336045/
(2014.01.03)



東京都が、象牙製品売買の全面禁止の決定を
することが、いかにあり得ない大変なことであるかを
考えると、ニューヨークがいかに大英断をしたかが
わかる。




by dearhino | 2014-07-28 22:52 | アメリカ | Comments(0)

サイ密猟者に77年の禁固刑

南アフリカでサイの密猟者に
史上最長の禁固77年の判決!



a0280851_00225266.jpgPhoto(C):SABC












参照記事 :
1.South African rhino poacher is handed 77 year sentence in prison in one of heaviest ever penalties
2.Media Statement from NationalMedia Centre Corporate Communication South African Police Service
3.Rhino Poacher sentenced to 77 years
4.Un braconnier de rhinocéros condamné à 77 ans de prison


判決を受けた密猟者は、南アフリカ人
Mandla Chauke 39才。

2011年4月にクルーガー国立公園で3頭のサイを殺し、
レンジャーとの銃撃戦でレンジャーを撃ち殺した
共犯として逮捕されている。


a0280851_23432347.jpg

Mandla Chauke 、Photo(C):lowvelder.co.za
Mandla Chaukeは無職で、妻と5人の子供がいる。



今年7月22日、クルーガー国立公園近くの
Nelspruit Magistrate 裁判所は
Mandla Chauke に禁固77年の判決を下した。

これは、増加し続けるサイの角目当ての密猟に
歯止めをきかせることを目的とした厳罰と
見られる。

禁固77年の内訳は、レンジャー殺害で15年、
サイを3頭殺害で30年(1頭あたり10年)、
サイの角の窃盗で8年、武器の不法所持で15年、
弾薬の不法所持で7年、国立公園の不法侵入で2年
というものである。

禁固77年は、密猟に対する刑として
今までで最も重い。

南アフリカの国立公園のスポークスマンは、
「この重い判決は、密猟を根絶させよう、という
司法からの強いメッセージ」として、
密猟防止への効果を期待している。

密猟は、野生動物の問題であるだけではなく、
サファリ観光に大きく依存している南アフリカ経済への
大きな損失であるが、クルーガー国立公園では、
今年すでに351頭のサイが密猟によって殺されている。



参照記事1より原文一部引用 :
A rhino poacher in South Africa has been sentenced to 77 years in prison in one of the heaviest penalties aimed at stopping poachers who target rhinos for their horns.


by dearhino | 2014-07-25 01:24 | 南アフリカ | Comments(0)

ケニヤ保護区、1晩にクロサイが4頭も密猟された!

Rhino News Clip

a0280851_15405933.jpg
a0280851_00294365.jpg今日は、
上野マロが
ケニヤの
ニュースを
お伝えします。





7月9日夜、ケニヤの Ol Jogi 野生動物保護区で
クロサイ4名が殺害されました。うち1名は
治療を施されましたが、その甲斐なく死亡しました。
1晩に4名とはこれまでにない大量殺害でした。

容疑者2人は、逮捕され取り調べ中ですが
角を持ち去った犯人は逃走中。

今年になって、この私設保護区で密猟の犠牲となり
殺害されたサイは合計9名です。

事態を重く見たライキピア郡では緊急会議を開き、
調査のための特別チームを編成しました。

16日に発表された情報によると、
保護区スタッフが密猟者と共謀しているか
どうかが、捜査の焦点になっている
とのことです。


ケニヤに住んでいるサイは約1000名、
うち6割がクロサイ、4割がシロサイです。

そして、昨年1年間に殺害されたサイは59名、
今年もすでに約20名が、人間に襲撃され、
角を奪われ死亡しました。

今回の事件現場のある ライキピア 郡は、
ケニヤのクロサイの約半分が住んでいます。
武器をもたないみなさん、周囲への注意を
怠らず、できるだけ身を隠してください。
幸運を祈ります。


次は

”がんばれ、孤児サイ”  のコーナーです

今日、ご紹介するのは、南アフリカのリンポポ州にある
サイの孤児院 "The Rhino Orphanage" にいる
クロサイの女の子のトンビー (Ntombi) ちゃんです。

a0280851_00413728.jpg
Photo(C):The Rhino Orphanage



トンビーちゃんも赤ちゃんのとき
お母さんを密猟者に殺されました。

トンビーちゃんの場合、お母さんが密猟者に
角が生えている部分を切り裂かれている間、
お母さんのそばを離れようとしませんでした。

密猟者はトンビーちゃんを追い払うため
彼女の顔を斧で殴りました。傷跡から
少なくとも18回は殴られたことがわかる
そうです。写真はまだ傷が痛々しい頃の
トンビーちゃんです。

a0280851_00260739.jpg
Photo(C):The Rhino Orphanage

私にもミミカという5才になる娘がいますが、
サイの母親はとても優しくて、サイの赤ん坊は
いつでも母親のそばにいて甘えているんです。
それが2才過ぎくらいまでずっと続きます。

どんなに痛い目に合わされても
お母さんから離れたくなかったトンビーちゃんの
気持ちを思うと、私も涙が出そうです。


不幸な事件から約1年半
トンビーちゃんは孤児院で人間に
愛情をもって育てられ、たくましく成長しています。
大きくなって、また密猟者の犠牲にならないことを
祈らずにはいられません。


すっかり元気になって、元気に走りまわっている
トンビーちゃんの
映像 を見ると

「えらいぞ、トンビー!
 がんばれ ! 」

と思わず声をかけたくなります。


以上、上野マロがお伝えしました。


上野マロ :
上野zoo, クロサイ♂ 14才

ミミカ :
クロサイ♀ 5才
和歌山アドベンチャー・ワールド
 


参照記事 :
1.Four rhinos killed in Kenya's worst poaching attack in years
2.MP Calls For Investigation To Establish Why Rhinos Die In Conservancies
3.Poachers Hacks Baby Rhino 18 Times.
4.Baby rhino hacked with panga.
  


ブログ内関連投稿記事
「罰則強化直後にまたナイロビで密猟」
http://dearhino.exblog.jp/19393163/
(2014.01.28)

by dearhino | 2014-07-17 09:53 | ケニヤ | Comments(0)

南アフリカのサイの密猟の激増 558頭


南アフリカのサイの密猟数
6月末までは1日平均3頭。

6月30日から7月10日までの
10日間は1日平均6頭。

何かの間違いと思いたいが!


参照記事 :
1.Rhino Poaching Update 10/07/2014
2.10 days and 62 rhinos dead



南アフリカ環境省発表の7月10日付
国立公園別サイ密猟数データ ↓

a0280851_23481139.jpg

今年、南アフリカで
7/10までに殺されたサイ : 558
6/30までに殺されたサイ : 496  
この10日間に殺されたサイ:  62  



この数字を見ると、現在の密猟対策が
功を奏していないことが明らかである。

例年、密猟数のピークは、1年の後半、
特にベトナムや中国でクリスマスや新年のための
サイの角の贈答品需要が高まる年末にくるので、
このペースで密猟が続くと、年末までに殺されるサイは
去年の1004頭を大幅に超えてしまう。

2016年までに、南アフリカのサイの出生率が
密猟による減少率を下回る可能性も予測され、
もしそうなるとサイの頭数は減少の一途を

辿ることになる。



以下、参照記事2より原文一部引用 :
South Africa has released its latest rhino stats which show that so far in 2014 558 rhinos have been killed in the country. This is a leap of 62 rhinos killed since the last rhino stats were published 10 days ago on 30th June 2014.


ブログ内関連投稿記事 :
「2014年前半の南アフリカのサイの密猟数496」
http://dearhino.exblog.jp/19955362/
(2014.07.01)



by dearhino | 2014-07-13 00:39 | 南アフリカ | Comments(0)

クロサイと暮らした 子供たち


1962年、
絵本の一場面のような
こどもたちとサイの
光景。


a0280851_23511764.jpg



参照記事 :
1.Mike Condy remembers riding a black rhino around his back garden in Rhodesia, 1962(E)
2.The extraordinary story of Rupert the rhino
3.The extraordinary story of Rupert the rhino (ルパートと子供たちの写真6枚)



子供たちの父親は、ローデシア
(現在の国名はジンバブエ)で実施された
”ノアの方舟作戦 Operation Noah"という名で
有名だった大規模な野生動物保護プロジェクトを
指揮する獣医。

”ノアの方舟作戦”の目的は、ザンベジ川を堰き止めて
世界最大の人口湖カリバ湖建設する際、野生動物を
安全な場所に移動させることだった。

この写真で一番大きな子、当時8才だった
マイク・コンディ氏は以下のように
当時のことを回想している。


1962年5月、移動の準備のためクロサイに
麻酔用の矢が撃たれたが、不運にも麻酔が効くのと
同時にそのクロサイが水に落ちてしまい、
レンジャーらはクロサイを引き上げることが
できなかった。

そして、そのクロサイには小さな子どもがいたことが
わかり、獣医である父が面倒を見るために我が家に
連れて帰った。

生後6週間にもならない小さなサイで、
私達は「ルパート」と名付けた。

父はガレージに草でルパートのための寝床を作った。
最初ルパートは神経質になっていたが、すぐに慣れて
自由に家の中と外を行き来し、すっかり家族の一員だった。

ルパートはいつでも、ぼくたち子供を背中に乗せてくれて
一緒に遊んだ。

1日4回、4リットルくらいのミルクをバケツから
ストローで飲み、来たばかりの頃は70kgだった体重が
半年後には250kgにもなるという信じられないくらいの
スピードで成長。

ミルクは父が調合したもので、サイの母乳の成分を
分析した結果、高タンパクであるが、脂肪分は少ない
ことを知り、その組成に合わせていた。

ルパートは、バナナとライチが大好きで、
私たちが草木の生えたところに連れて行っても
それを食べることはなかった。


a0280851_23514095.jpg


ルパートとずっと一緒にいられないことは
私たち子供にもわかっていた。

我が家で6ヶ月暮らした後、ルパートは
Matobo Game Reseve に引越し、
ライオンからは守られた自然のなか、
ひとりで暮らすことになった。

母は、小さな息子を寄宿学校に送り込むような心境で、
別れを悲しみ泣いた。

それから2年後、私たちはルパートに会いに行った。
彼の大きさには圧倒されたが、母が「ルパート」と
呼ぶと、その姿にはおよそ似つかわしくない
甘えるような可愛いらしい声を発した。彼は私たち
家族を覚えていてくれた、と確信した。

しかし、悲しいことにそれからまもなく、
ルパートが潅木の繁みで死んでいるのが
発見された。

ずっと後になってから、私は、ケニヤの
レワ野生動物保護公園を訪れる機会があったが、
そこで、サイというのは、3才くらいまでは
まだ子どもと認識されていることを知った。

だから、当時の私たちはルパートを独り立ちさせるのが
早過ぎたのかもしれないと思った。

でも、私たちはルパートにたくさんの愛情を注ぎ、
彼も私たちと幸せな時間と過ごしたと信じている。

Photo :Courtesy Mike Condy

参照記事1より原文一部引用 :
Dad brought Rupert up to the garage and made him a nest out of hay bales and used infrared lamps. It became his little haven; we had to coax him out – he was very nervous at first. Then quickly he became part of the family. I think he thought he was just another Condy kid – he would go in and out of the house as he pleased.

















by dearhino | 2014-07-09 11:22 | アフリカ | Comments(1)

2014年前半の南アフリカのサイ密猟数 496

今年6ヶ月間に南アフリカで
角のために、密猟者によって
残酷に殺されたサイの数は、
昨年の同時期より
5% 増加。



世界のサイの80%以上が生息する南アフリカでは
下記のグラフが示すように、2008年以来、
急激な勢いでサイの密猟が増加している。

a0280851_15582813.jpg
(棒グラフの上の数字は、密猟されたサイの数、
下の数字は逮捕された密猟者数)


今年になって181日、6月30日現在のデータでは、

  サイ密猟数 : 496
  逮捕者数 :  141


157日目の、6月6日付のデータでは、

  サイ密猟数 : 442
   逮捕者数  : 123


何気なく過ごしたこの24日間のあいだにも
南アフリカのサイが54頭が殺されていた。


平均すると、 
毎日殺されるサイは 2.74頭。

だから、悲しいことに、7月1日の今日か、
あるいは明日には500頭目のサイが密猟者の
毒牙にかかるのだろう。


参照記事 :
1.南アフリカ環境省発表記事
2.Rhino Poaching Update


↓参考: 2014.6.30 現在の南アフリカの国立公園別
     サイ密猟数と逮捕者数統計。

    KNP は、南アフリカ最大のサイの生息地
    クルーガー国立公園のことで, 約9000頭の
    サイがいる。(参照記事2. より転載。)
 
a0280851_17502684.png


ブログ内関連投稿記事リンク :
タグ・密猟の統計 



by dearhino | 2014-07-01 18:35 | 南アフリカ | Comments(0)