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事件後、南アフリカのサイ孤児施設の閉鎖決定


残虐な密猟者侵入事件が
起きたサイ孤児施設が
閉鎖。

The Thula Thula Rhino Orphange では
2月20日、内部に密猟者が侵入し、
2頭のわずか1才半の孤児シロサイが殺された。


殺されたシロサイの孤児の Impy と Gugu ↓
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Photo(C):The Thula Thula Rhino Orphanage


孤児サイだけでなく
スタッフも傷つけられ、若い女性は
性的暴行を受けるという恐ろしい事件だった。

その事件から2か月余りの先日、
南アフリカのサイ孤児施設
the Thula Thula Rhino Orphange は
安全上の理由から
ここでサイ孤児の保護をすることに
ピリオドを打ち、閉鎖することを決定した。


ブログ内関連投稿記事 :
「南アフリカのサイ孤児保護施設で残虐な密猟」
http://dearhino.exblog.jp/23673086
(2017.02.24)


事件後、施設に保護されているすべての孤児サイと
育児放棄のために保護しているカバの子、
世話を担当するスタッフは安全な場所に移っている。


この施設でサイの孤児とカバの子が
仲良く育っていることが話題になった。
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Photo(C):The Thula Thula Rhino Orphanage


the Thula Thula Rhino Orphange の経営母体の
Lawrence Anthony Earth Organization は、
セキュリティーの専門家、密猟対策の専門家、
警察幹部などの意見を踏まえて協議した結果、
動物とスタッフの安全のためには、今が、
この施設を閉鎖するべき時であると
判断したのである。

この事件は、サイの密猟ビジネスがもたらす
無軌道で恐ろしい最悪な結果への警告として
受け止められるべきものであり、
その先にある取り返しのつかない結末が、
「サイの絶滅」ということになるのだ。




Lawrence Anthony Earth Organization は
ローレンス・アンソニー、Lawrence Anthony
1950~2012、 南アフリカ出身)の存在に由来する。

彼はビジネスで成功した後、2,000 ヘクタール
(東京の千代田区の約2倍の広さ)の
the Thula Thula game reserve、
「トュラ・トュラ私設野生動物保護区 を買い取り、
野生動物のために安全に暮らせる場所を提供した。

特に、他の保護区で手に負えないとされた
人間不信の怒れるゾウたちを自分の保護区に
引き取り、象の心に寄り添い、信頼を得て
落ち着かせた功績は広く知られている。

彼が急死した際は、それを悟った保護区の
ゾウの群れが彼の元に別れの挨拶に来るという
人知を超えるような出来事があったそうだ。


また、ローレンス・アンソニーは、
今では最後の3頭がケニヤの保護区に
生き残るのみとなったキタシロサイの保護にも
身体を張って取り組み、武装ゲリラにも殺害を
やめるように掛け合ったという。

また、イラク戦争によるフセイン政権崩壊後、
まだ戦闘状態が続くバグダッドの悲惨きわまりない
状態の動物園に乗り込み、動物を救い動物園の
立て直しのために奮闘したそうだ。



ローレンス・アンソニーがこうした活動を記した
著作が日本でも翻訳出版されている。

「象にささやく男」(築地書館/2014)
戦火のバグダッド動物園を救え」(早川書房/2007)



参考記事 :
1.Rhino orphanage to close permanently after security concerns
2.Tragically, The Thula Thula Rhino Orphanage Forced To Shut Down After It Was Attacked By Poachers
3.「象のささやく男」訳者あとがき

参照記事1より原文一部引用。
”On 1st May 2017, the Thula Thula Orphnage (FTTRO) in Kwa-Zulu Natal, South Africa, made the difficult decision to permanently close its facility after increasing security threats to the animals and staff.”



by dearhino | 2017-05-07 17:07 | 南アフリカ | Comments(0)