テロ組織の資金源となる密猟
原文コラム記事 :
Poaching pays for terrorism
translated by dearhino
Poaching pays for terrorism
The best opportunity to stop this dastardly business lies in collapsing demand for ivory and rhino horn in China and Vietnam
密猟が、
テロリストの資金源となる現実。
この卑劣なビジネスを止める
最も有効な手立ては、
中国、ベトナムでの需要をなくすこと。
アフリカにおけるサイとゾウの密猟との戦いに
アメリカは一千万ドルを出資するのというオバマ大統領の声明は、
この問題がのっぴきならぬところまで来ていることを示している。
2012年には、アフリカのゾウが象牙のために3万頭も殺された。
これはゾウの生息数の7.4%にあたる。
サイはさらに危険な状況かもしれない。
昨年1年間に、南アフリカでは668頭、
今年7月末までには既に536頭が殺されている。
20世紀初頭、アフリカとアジアで50万頭いたサイが
今や3万頭に減り、さらにこのペースで殺されているのだ。
アルシャバブ(1), 神の抵抗軍(2)、そして
サヘルからソマリアにかけての軍事集団のようなテロ組織は、
活動の資金を得るためにゾウやサイを大量に殺している。
密輸の仲介者として暗躍する国際犯罪シンジケートは、
象牙やサイ角を闇取引することにより、
荒稼ぎをしている。
そのため、彼らは、象牙やサイ角を密猟者から購入する。
その購入資金が、テロ組織に流れ、地球上の安全が
脅かされることになる。
サイやゾウの生息地であるタンザニア、ケニア、
南アフリカのような国にとって、その存在は
エコツーリズムでの多くの雇用と外貨収入をもたらす。
しかし、もし動物と観光客がいなくなれば、雇用、
そして国の未来さえ失われ、人々が貧困に苦しむ。
これらの動物を保護することは、
戦争とでも言えるような血なまぐさい戦いであることを
アフリカ以外ではあまり知られていない。
重装備の武装密猟者に対抗しているのは、
大した装備もしていない保護レンジャーであるという
現状にもかかわらず。
この戦いでは、動物を守ろうとする側が恐るべき出費をし、
密猟者側はここ数年で数百人の保護レンジャーを
殺している。
高度な装備をした密猟者に対して
勝ち目のある戦いをするには、保護レンジャーにも
もう少し使える兵器、広い保護区を監視するための
無人偵察機、迅速な対処が可能なヘリコプター、
夜間用ゴーグル、が必要だ。
しかしながら、殺戮を止めるための最善の方法は、
中心的需要国である中国やベトナムの象牙やサイ角の
需要をなくすことだ。
これをしない限り、どんなに密猟に対抗しようとしても
あまり成果はない。密猟の金銭的対価があまりに高いので、
それに目が眩む人が後を絶たない。
そして、驚くべきことに、野生生物製品の不法取引の防止に
取り組む組織 TRAFFICの報告によると、
中国の2億3000人を超える新興中間層は、
豊かさの証しとして象牙を買いたいと思っているという。
同様にサイ角も金持ちのステータス・シンボルだ。
特にベトナムでは、金持ちは二日酔いに効くとして
サイ角の粉を買う。それもまた自分の富の証なのだ。
誰かわからないけどベトナムの政治家が、
サイ角の粉末薬を飲んで、どこかのガンが
治った噂を聞いて、サイ角を買うひともいる。
何と残酷な都市伝説なのだろう。
需要を減らすためには、人々が変わらなくてはならない。
象牙やサイ角を買うこと、それは、明らかに
苦難が続く動物たち、殺される勇敢な保護官たち、
そして、テロの脅威と連鎖している。
中国やベトナムの購買層へのメッセージは
月並みなものでは駄目だ。
彼らの心に届くものでなくてはならない。
この事態を理解している中国やベトナムの
ネットワーカーなら、密猟の状況を示す映像や写真を
インターネットを通じて広めることもできるだろう。
最終的ゴールは、象牙やサイ角を買うことが、
文化的、社会的に嫌悪感を起こさせるものに
することであろう。
絶滅の危機に瀕する動物を救うための
アメリカの資金的貢献は反密猟のための
装備に使われるであろうが、それだけでなく
薬効のないサイ角の粉末や象牙のアクセサリーを
買うことが引き起こす恐ろしい結果を、
草の根ネットワークによって広める努力も
また必要であろう。
If this effort fails, elephants and rhinos, which have roamed this planet for tens of millions of years, will have but a decade left on Earth. Their very survival lies in the hands of the people of China and Vietnam who are thinking of buying ivory or rhino horn.
もしこの努力が実を結ばなかったら、この数千万年間、
地球上を歩き回っていたゾウやサイがあと10年で
姿を消してしまうだろう。
ゾウやサイが生き残るかどうかは、
象牙やサイ角を買おうかと思っている
中国とベトナムの人々の手にかかっているのだ。
By Dr Keith Martin
ワシントン、地球環境に関する大学コンソーシアム事務局長。
訳注 :
1、Al Shabab (ソマリアのイスラム武装勢力)
2. the Lord’s Resistance Army (ウガンダの反政府武装勢力)
ベトナムにおけるサイ角、関連のする以前の投稿記事 :
「サイの角が好きな金持ちベトナム人」
by dearhino
| 2013-08-13 23:05
| 世界
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