昨秋からキャンペーンが開始されたWWFジャパンの
「幻のサイを守ろう!スマトラサイ保護プロジェクト」の
報告会が3月14日に実施され、WWFジャパンおよび
WWFインドネシアの担当者の方から現地の状況などを
聞くことができた。調査の大変さを知ると同時に、
スマトラサイを守ろうという熱意が伝わるレクチャーだった。
1990年代にスマトラサイは絶滅、と思われた
インドネシア領のボルネオ島で、
WWFインドネシアのスタッフが偶然
スマトラサイらしき足跡を発見。
その後、設置された自動撮影カメラに
スマトラサイが撮影され、
その生存が確認された。
そして、この「スマトラサイ保護プロジェクト」で
調査と保護への活動をサポートすることになる。
<当日のメモより>
○見つかった足跡の大きさからは、大きいサイ2頭と
子サイ1頭がいる、と考えられる。
○映像には、身体のひっかき傷で判断すると、同じ1頭の
個体しか写っていない。
○東京都の面積くらいの広さに、多くて3~4頭が
生息していると考えられるが、カメラトラップの数は
数十台と限られているので、サイが通りそうな場所を
厳選して設置しなければならない。
○雨季の調査では、サイの足跡が消えてしまう。
○生息範囲のなかに、石炭採掘許可が下りた場所もあり
生息地が奪われる心配もある。
○森林の消失の原因は、木材の利用、農地への転用、
石炭の採掘、紙の原料のアカシヤの植林、パーム油の
原料のオイルパームの植林などであり、日本人の暮らしと
サイの森の消失も無関係ではない。
○将来的には、充分な食料と安全が確保できる場所に
サイを移送することが検討されている。
○スマトラ島のサイと、ボルネオ島のサイは
異なる亜種。
○生息地の地元住民には、サイの生息地を奪わずに
生計が立てられるような魚の養殖、ラタンやカカオ栽培を
提案している。
WWFジャパンのこのプロジェクトへの寄付金は、
昨年の10月からの現在までの半年足らずで
約1800人から既に1072万円集まっている。
パンダショップで販売した支援金つきの
サイのキーチェーンも完売。
日本でスマトラサイへの関心は決して高いとは
思えないが、さすがWWF!
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http://dearhino.exblog.jp/20351279/