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親愛なる犀たちへ

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ベトナムでの新たなサイ角の使用目的

これまでベトナム人のサイ角消費の目的は
ガンを始めとする病気治療、2日酔い防止など
何らかの健康改善に関連することや
成功者のステータスを示すためと認識されていた。

しかし、コペンハーゲン大学の
デンマーク人とベトナム人研究者による
最近の研究結果から、新たな目的の
サイ角使用が増加していることが明らかに
なった。


ベトナムでの新たなサイ角の使用目的_a0280851_00530664.jpg
(C):University of Copenhagen



この研究は、ハノイとホーチミンでの
最近のサイ角購入者30人名に対して実施した
詳細なインタビューに基づくもの。

そこで判明したことは、ベトナムでは最近、
サイ角の粉末を回復見込みのない終末期の病人への
最後の「慰め」というか「癒し」として、
あるいはその家族が末期の病人のために
できる限りのことをしたことを
示す象徴的な「ジェスチャー」として
与える実例が増えているという現状である。

この研究により、さらに以下の2点の
サイ角消費者の実態が明らかにされた。

●サイ角を買うベトナム人は、
純粋に野生のサイの角を好み、サイ角を売るために育てられた
ファーム(飼育場)のサイの角にはあまり購買欲を示さない。

このように密売価格が高くても富裕層のサイ角消費者が
野生由来のサイの角に執着するのであれば、サイ角売買を
合法化してファーム(飼育場)のサイの角を市場に
流通させることには意味がなくなるし、逆に密猟された
野生のサイの角の価値がさらに高まってしまう。


●サイ角購入者に、大規模な密猟、そのためのサイの絶滅危機、
取引の違法性、罰則などの情報を与えても、彼らは関心を
示さない。

研究に携わったニールセン教授は、これらの結果に
基づいて、サイ角需要を減らすための新たな戦略を
立てる必要があると述べている。


「薬効」を期待するわけではない新しい使用方法の
広がりがもしも、サイ角に薬効なし、という認識の
広まりの反映だとしたら、少しは明るい材料かも
しれないが、単なる用途の拡大であるなら
さらなる需要の増加となってしまう。

サイ角の国際取引の合法化が
「野生」のサイの角需要の高まりに繋がる可能性が
この研究結果からも明らかになった。

サイ需要を減らすための新たな戦略は
どう練り直せばよいだろうか?


参照記事 :

参照記事1から原文一部引用:
"For us, the surprising trend is that horn is increasingly being used as a symbolic gesture to console terminally ill family members. "


by dearhino | 2018-05-21 00:54 | ベトナム | Comments(0)
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